「ジェニーとターニャ~二人の出会い~」参考資料

ろうそく1

作品のきっかけ

私が今回の『ジェニーとターニャ』を通じてやりたかった事は、起承転結のある、より具体的なアニメーションです。
制作のはじめの段階で、漠然と、「私はアーティストじゃない!」と思いました。自分の中にたいして深い考えもないのに(考えがしっかりと形になってもいないのに)、無駄に抽象的なものを作っても意味がない。理屈をつけても意味がない。インスピレーションのままも、私には意味がない。と、突然に思いました。
そこで、自分の中にある思いの中から、一番はっきりしているものは何か、見つめなおしたところ・・・
出てきた答えは、「日々の生活の中に気の抜けるような楽しさがあってほしい」という、当たり前の事でした。
いじめや、政治、外交などなど、時代とともに変化して、世の中の問題は無数です。そんな中、現代っ子は、誰も決して根つめて考えるようなマネはしないけれど、世の中はよりわかりにくく、入り組んだものになっていると感じます。
そういった世界に生きているからこそ、気の抜けれるもの、それとは逆のもの、なんでもない、喜怒哀楽も鮮明で、よりはっきりとした具体的なものを私は作りたいと思いました。
そうしてできたのがこのアニメーションです。

ろうそく1

瞬間

この絵は、びっくりするような驚きと発見をこめた絵です。:【絵1】
私は、人がはっとする瞬間はとても大事だと思います。はっとして、頭の中がいっぱいになるその瞬間を作品の中では大事にしたいと考えました。
『ジェニーとターニャ』の一番の見せ場は、女の子の顔のズームです。猫の足を踏んだことがたいしたことじゃなくても、一瞬のはっとした感を最大限にみせたいと考えました。最大限にもってくるために、ズームを2カット続けて使用し、2カットめで、画面いっぱいを顔でうめました。このカットで作品を見ている人も一瞬この画面のことしか頭にはいらなくなればいいよと思ってそうしました。
全体を通しての唯一の特徴は、絵も音もすべてはっきりしたものしか使用していないというところだと思います。


【絵1】
飴玉をあげるよ
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