「金のリンゴ」参考資料

リンゴ1

参考文献のはなし

「誰が見ても話のわかるアニメーション」、それが私の作りたい映像です。
この作品では、『魔』をテーマにもってきました。理由は、魔法や悪魔といった不可思議な世界が好きだからです。そこで調べていくうちに、ひとつの物語にたどり着きました。アダムとイヴの物語です。

人類の始まりとして言い伝えられているアダムとイヴの物語には、悪魔が登場します。アダムとイヴは、知恵の木の実(=リンゴ)を食べる事によって楽園を追放され地上へ落とされてしまいますが、そのリンゴを食べるように誘惑した者が、蛇の姿を借りた悪魔でした。
また、アダムにはイヴよりも前にもう一人女がいました。それがリリスという名の人間です。リリスは、アダムと同じく神によって創られた女です。同等の立場として創られた二人だったので、上か下かで喧嘩をし、「あんたとなんかやってられないわ」と言ったかは解りませんが、二人は別れ、リリスはアダムから最も遠い、海のはずれ=魔の世界に住むようになったのでした。イヴが、「アダムの骨の一部」から創られたというのは、今度は喧嘩をしないために、同等の立場ではなく産んだという意味です。
リリスはその後、魔の世界に住む堕天使達と出会い、地上にたくさんの悪魔を産み出したとされます。リリスが、魔の女王として扱われるのはそのためです。
蛇の姿をした悪魔は、リリスだったのかもしれないと、思いました。
幻想的で、不可思議な、ただの喧嘩か、けどせつない物語の様が浮かびます。
この物語を調べる前までは、『魔』とは恐ろしくて強い力だとしか思っていなかったのが、『魔』の原点をアダムとイヴの物語の中に見出してから、『魔』に対する印象が変わり、この作品では、不可思議かつ、コミカルで温かい印象を与えたいと思いました。
作品の中に登場する人物や物には、その意味を少しだけ乗せています。

リンゴ1

主人公について

今まで、毎回同じような少女を主人公にして、アニメーションを作ってきました。そこには、私の中で理想の女の子が常にいて、それを表現したい欲求がずっとあるんだと思います。驚きや悲しみ、気まぐれさ、不安、まっすぐな心、当たり前のことですが、すごく大事だと思っています。作品にするということは、何かあらわしたいことが必ずあるわけで、それは私にとって、「素直な気持ち」です。そのイメージとして一致する女の子に意味を持たせて毎回同じような主人公として扱ってきたのだと思いました。アンパンマンが理想のヒーローだったり、ムスカが理想の悪役であるように、私の中で思い描いた女の子は素直な感情がつまった理想の女の子です。


最初考えていた主人公↓(最初は、女の子がおにぎりを食べて悪魔が現れる予定でした:絵コンテ) 制作絵コンテ
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